目次
「webデザイナー」が看板をオーダーされたら?
毎日の仕事やプライベートでもコミュニケーションツールとして欠かせないPCやスマートフォン。
PCやスマートフォンのなかで目にするHPを作っているのが、webデザイナー。
webデザイナーってHPだけ作る人?
HPだけではなく、ではほかのアイテムってどんなものがあるのでしょう。お店のオープンやリニューアルに伴い、HP以外に何かできるとしたら…。
お客様にアピールする広報アイテムは、ポスター、チラシやショップカード、看板、タウン誌の広告などもろもろありますね。
「HP」と「もろもろアイテム」は同時進行しながらオープン向けての準備は進むとは思いますが、「HPを依頼したお客さま」の立場なら、同じwebデザイナーに頼むメリットとして、お店のコンセプトなど要望もわかっているし、ほかの媒体をお願いしてもデザインの統一感が期待されているはず。
HPを依頼された「webデザイナー」の立場なら、お客様のコンセプト、要望もわかっているし、ちょっとしたアドバイスをご提案できると信頼感につながり、これから先のいろんな案件と売上アップにつないでいけるかもしれません。
まず多くのお客様に見て知っていただき、来ていただくことは、「お店を知ってもらう」という上で大事なポイントです。先ほど掲げたポスター、チラシやショップカード、看板、タウン誌の広告などの中から、今回は「看板」に注目してみたいと思います。
流行のお店には戦略がある!?
例えば、ラーメン屋さんを例にあげてみます。友人たちでの会話でも「美味しいお店知らない?」など話題にあげられることがありますよね。流行るお店って何かある。
そう、お店の前に行列ができてお客さんが教えてくれますよね。まずお店を選ぶ理由って、どんなものがあげられると思いますか?
お店を選んだワケ、ベスト3!
発表します! お客様がお店を知ったワケ、ベスト3!
第1位、紹介口コミ。
第2位、通りがかり。
第3位、インターネット。
webデザイナーにとってはインターネット1位?かと思いましたよね。若い世代とシルバー世代では、多少の順位の変動はあるかと思いますが、まずは近所の話題となるのが流行る店の早道かもしれませんね。
近所の客が実はターゲット
自分が新入社員だと思ったら想像しやすいでしょうか。初めて訪れる地域でのお店探しって、どんな風に訪れますか?
会社の周りは、どんな街の雰囲気か、どんなお店が多いか? わからないときにまず頼りになるのが、会社の先輩。なかにはとっても食いしん坊な人がいると、HPなどの情報よりももっと細かい口コミ情報が嬉しいですよね!
そう、1、2位は実際のお店、リアル店舗を知ってる方からの情報なんですね。
デザイナーが看板もおすすめする理由
webデザイナーとしてHPを作り、作っただけで終わらせずお客様の反応が大事ですよね。
一歩お客様に近づくデザイナーとして必要なことはお客様の反応です。HPを作るにあたって、お店の聞き取り、いわゆる取材で、お店の強み、アピールしたいことを聞いているから、よりリアルな近隣のかたへのアピールは看板がとっても浸透しやすいんです。
近隣のかたへ伝わる方法を考えてみよう
ショップなどを開催するお店だったらイベント開催時に、のぼり看板も必要かもしれません。そんなデザイナー目線ならではの提案をしてみましょう。
お店の方だけでは気づかなかった点をお伝えするチャンスです。
看板の種類
- プレート看板
固定した場所に使用し、移動は向かない。屋外、屋内に設置可能。費用は大きさにもよるが、設置には大きいものになると人手もいるので設置費用も概算しておく必要がある。
例)実際に現地に出向いて、近隣を撮影して看板をはめ込み、2案提案した例。車道からだとガードレールの高さを配慮。(写真協力:トカイナカヴィレッジ)
- スタンド看板
最もポピュラーな看板といえばA型看板。手書き黒板看板をはじめ、両面、片面、屋内用、屋外用、ポスター入れ替えタイプ、面板貼り込みタイプと様々あり、持ち運びが楽。
- 幕看板
チームの応援旗などでよく見かける幕看板。大きさ、種類が多種多様あり。幕の部分も屋内、屋外の用途別に選べる。
例)外装のリフォームができなかったので、幕看板でイタリアの赤と緑をイメージ。風が強いので素材をメッシュにしました。(写真協力:acqua monte)
例)ハトメなどの縫製処理があるので、画像部分がかからないように内枠を注意。
(写真協力:パパとママの楽校)
- ポスターフレーム
ポスターを作って出力はめ込めば、デザインを何度も変更して利用できる。屋外には不向き。
例)工事中に予告、改装お知らせ(写真協力:晶扇コーポレーション)
- のぼり旗
縦長ののぼり旗の看板。イベントの時には目印になるので、効果的。お店の開閉店時にのぼり旗を目印にすることもできる。土台やポールも別途必要。
- 販促POP
屋内のPOPはお店の個性の見せどころ。お店の商品や雰囲気に合わせてガラス面に切り文字なども。
使い方に応じたおすすめ看板
例えばイベントの「のぼり看板」。お客様からワークショップを定期的に続ける予定でスタッフが少ない手助けとして「のぼり旗」看板を提案した例です。受付などのお客様の動線目印に有効です。
いろんなフェスで出店営業されているお客様なら、幕看板は持ち運びに便利ですし、何度も使えるのでエコにもつながりますね。
イベント目印になりますし、常連さんも嬉しいはず。お店のPOPは、実際にきてくださるお客様へのメッセージになりますから、季節ごとや商品が変わる時期などに大いに有効です。
看板って実は作ったことがない?
看板業者のHPをみると「看板やさん相談入稿」と「完全入稿」のだいたい2タイプがあります。
「看板やさん相談入稿」はファックスなど手書きでイメージをラフに描き、看板屋さんがデザインを起こすやり方。この場合には、イメージを起こしたデザインをチェックし、費用も日数も若干かかります。
後者の「完全入稿」は、看板屋さんのHP上にテンプレート(白紙の状態)と呼ばれるあらかじめ、データ作成時の注意書きや寸法のファイルをダウンロードし、デザインデータを作成し、HPにアップロードして入稿作業することです。
今回は「完全入稿」タイプをお勧めします。それは、HP作成の時にバナー作成などで、ロゴ、イラストのイメージがあるので、制作物は大きくなっても作りやすいからです。
注意したいところは、看板の中に文字を入れた時の読みやすさ、わかりやすさには気をつけましょう。
本とは違い、看板ののぼり旗は常にひらひらと動いていますし、ある程度の目印と考え、タイトルとキャッチコピーくらいでないとお客様にはわかってもらえません。
看板を作ったから、わかったこと。
前出のプレート看板を制作する際にお見積もりを依頼したときのこと。
案件は自分の身長より大きな看板でした。お見積もりはHPで見つけた会社で場所が東京都で、取り付け現地が神奈川県。
「取り付け人数最低2人必要で割増料金になるから、近くの看板屋さんをオススメしますよ」とわざわざ良心的な看板屋さんにアドバイスをいただいたことがありました。
教えていただいた地元の看板屋さんを探し、取付時になかなか聞けない看板屋さん制作現場の事情を聞くと、完全入稿データで作業が助かったとのこと。
「イラストレータ、フォトショップはあまり得意でないんです」と本音をポロリしていただきました。
看板屋さんは現場作業がメインだろうと思いますし、完全データ入稿はデザイナーのイメージ通りにできるし、制作時間の短縮にもなりますから双方いいことばかりだから、オススメします。
大きな看板は現場から近いところからの発注がいいですよ。
今回は、「看板」のことをお話しましたが、いかがでしたでしょうか?
ご近所さんに、知ってもらう手段としての「看板」はどんな世代にも有効で注目してもらえますね。お客様に早く知ってもらうためにあらゆる広報活動を使うとしたら、今はやっぱりHPは欠かせないツールです。
お客様にお店を知ってもらい、実際に足を運んでいただいたら、友人知人に発信したくなる仕掛け作りや何度も来店したいと思ってもらえるような工夫は大切です。
これは店舗でもHP上での店舗でも同じことです。
これからは、「看板」や「HP」のいいところをうまく連携して、素敵なお店を作り上げるお手伝いをしていきたいです。
日本デザインスクール 中級編第3期 オーイエ